マツダスタジアム国歌斉唱

このとんでもない話が舞い込んできたのは令和2年の事でした。それ以前に知り合いの方に東京から矢崎拓也投手がカープに来るのでよろしくと紹介していただき、それ以降カープが大好きな夫と共に親しくさせてもらっていました。彼は皆様もご存じの通りちょっと個性的で話が面白いですし、知的で礼儀正しく、しかも息子とほぼ同い年という事で今まで野球にはほとんど興味が無かった私ですが、すっかりファンになってしまいました。私が歌を歌う事を知っていた矢崎選手からカープの球団関係者の方に話が伝わって今回のオファーにつながりました。
前にお話が来たときは火曜日の試合だったので、午後の診療があり一旦はお断りしました。それからコロナ禍となり国歌斉唱の話は縁が無かったなと思っていました。すると今回本番6月16日の3週間前くらいだったでしょうか、またお願いしますと声がかかり急遽出演が決まったという次第です。
それからは通勤の車の中、お風呂の中、誰もいない時は道を歩きながら「君が代」を口ずさむ毎日でした。アカペラなのでまず、キーを決めてどこでブレスをするか、伸ばす音をどう処理するか、ボーカルの師匠やオペラを歌われる先生にアドバイスを受けながらその日を待ちました。
当日は午前中外来診療、午後1時から白内障手術を5件行って3時半には家に帰り支度をして5時にスタジアムに到着しました。美容院に行く時間はありませんでした。人前で歌うことには慣れているはずなのですが、やはりかなり緊張していて、直前に控え室で練習をしたのですが、高い音がかすれて出ず、急遽キーを下げて歌うことになりました。

通路を抜けたら広いグラウンドで観客席には何万人という人達が試合の開始を待っていました。私も緊張しましたが、夫もカメラマンとしてグラウンドに入る事が許されたので同じ位緊張したようです。でも、普段は決して入ることのできないスタジアムのグラウンドに足を踏み入れる事ができたのは奥さんのおかげと喜んでいました。
国歌斉唱が終わったあと矢崎投手が近くに来てくれて記念撮影をしてくれたこと、スライリーと挨拶ができたことがとても嬉しかったです。肝心の歌は一息で歌いたいところにブレスを入れてしまったり、前半声が上ずっていたりで私としてはちょっと後悔の残る結果でした。でも、嘘か本当かまた今度もお願いしますと球団の方に言われたので密かにリベンジを企んでいます。

それにしても本当に貴重な経験をさせていただきました。ご縁をくださった方々、応援してくださった方々本当にありがとうございました。

